Princess
「修哉さん、できましたよー」

お盆を持って寝室に顔を出した。

「ああ…」

あたしに支えられながら修哉さんは躰を起こすと、できたばかりの雑炊をレンゲですくった。

「うん、美味い…」

口に入れると、修哉さんは首を縦に振った。

よかった、口にあったみたいだ…。

「ほのかちゃんは、風邪の時は雑炊だったの?」

ホッと胸をなで下ろしていたら、修哉さんが聞いてきた。

「えっ…ああ、そうですね」

あたしは首を縦に振って彼の質問に答えた。

「へえ、そうなんだ…」

修哉さんは納得したと言うように呟いた後、また雑炊を口に入れた。
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