最後の100日~君に幸あれ~

「信じられねぇかもしれねぇけど本当のことだ。」

拓磨は少し間を空けて俺は視線を移しながらそう言った。

「信じるよ。
嘘を言っているような目じゃなかった。」

「ありがとう。
それで、事故にあった場所に行くのに付き合って欲しい。」

頼ってくれて嬉しいと思った。
普段は言えないが、拓磨のことを信頼してる。
無理して笑ってる時があるって分かってる。
だから、素直に頼ってくれて嬉しい。

「分かった。
拓磨、話してくれてありがとう。」

「こっちこそありがとう。
それで、今回は本当に相談があるんだ。」

相談。なんだ。
さっきのが本題じゃないのか?

「ルイ…。
奥村さんが屋上で初めてあった時に呟いていた名前。」

ルイ…誰だ。
うちの学校にルイなんて名前の人いたか。
頭を回転させ考えていた。

「俺は昨日の放課後そいつと話してきた。
昨日の帰りお前と帰らなかったのはそのためだ。

奥村さんはそのルイってやつのことが好きだと思う。
直接本人に聞いたわけじゃない。
だけど、絶対そうだと思う。

だから、奥村さんに俺みたいな思いをして欲しくない。」

「ちょっと待ってくれ…俺みたいな…って。
もしかして、そいつは…」

そこで店員さんが頼んだ飲み物を持ってきた。
飲み物を飲み、拓磨は話を続けた。

「幽霊…だと思う。
うちの制服を着ていた。だけど俺は時々違うモノに見える時があった。
そいつは俺が出会った女の人みたいに彷徨っていたわけじゃなく、奥村さんへ何か目的があったんだと思う。」

「目的…。
でも、さっき奥村さんと会った時、男とカフェで楽しそうにしてたぞ。

男の方が彼氏とか言っていた。
奥村さんは否定していたみたいだけど…」

「え!?彼氏!?」

拓磨は驚いていた。
そりゃあ驚くよな。

俺も驚いたから。

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