最後の100日~君に幸あれ~
「名前は?」
「確か、花宮洸季とか言ってた」
「転入生か…」
転入生なのか。
初めて知った。
隣のクラスだし、周りに興味ないからか…。
「でも、転入してきたの昨日だよな。
転入してきてすぐに付き合うって考えにくい…」
「関西に住んでいた頃の友人なんだと。
でも、奥村さん否定してたし。付き合ってないって思っとく。」
「俺はお前が奥村さんと付き合おうが他の人が付き合おうがどうでもいいんだけど。
とりあえず、奥村さんに同じ思いをさせたくない」
どうでもいいって。
普通親友の恋を応援してくれるだろ!?
「そこは応援してくれよ。」
「だったらもっとアピールしろよ。
帰り一緒に帰るとか誘えば?
家同じ方向みたいだし。
昨日の朝奥村さんに忠告はした。」
「朝!?登校中か?忠告ってなんだよ」
誘ってみようと心の中で思ったことは内緒だな。
「奥村さんが傷つくことになる。
あいつと奥村さんは住む世界が違うんだって。」
「…そうか…」
拓磨は奥村さんを友達として大切に思ってくれているんだろう。
不器用なりに、心配してるのか。
「昨日、そのルイってやつと話したって言ったろ?
そいつは、奥村さんと長いこと暮らして、一緒に寝たりお風呂に入ったりしていたって話してた。
これから辛いことがあっても支えていきたいと思っていたけど、叶わなくなったから、僕が消えた時は支えてあげてって、あの、黒髪の人にも伝えてくれる?
って言われた。
お前のことだと思う」
「そうか…って、なに?一緒に寝たり、お風呂に入ったりって…え?ごめん。ちょっと待って。」
「それは多分。
俺がたまに違うモノに見えるって言ってたのに関係があるんだと思う。」
その違うモノってなんなんだ。
「昨日もたまに違うモノに見えて。
………に見えたんだ。」
その話が終わり俺達はカフェの外へ出た。