最後の100日~君に幸あれ~
図書室~no side~
シーンと静かになった図書室で悲しげな声が響いた。
「ミイちゃん…好きだよ。
ずっと…今も好きだった。」
洸季は上を向き涙を堪えるように唇を強く噛んだ。
口元に付いているピアスの周りから血が滲み出ている。
「ダセェな…俺…。」
ーガンッ
洸季は机へ拳をぶつけた。
もっと素直になっていたら…。
転校する前のあの時、ウザがられたとしても追いかけていれば…。
そう心の中に後悔が渦巻く、洸季にとって奥村美奈がどんなに大きな存在だったのか…。
「でも…まぁ…。
好きな女の子幸せを応援せな…。
男なんやから…。
ミイちゃん…幸せになるんよ…」
洸季の頬に伝う光る一筋の涙と共に呟いた声は虚しく静かに消えていった。
~no side end~