最後の100日~君に幸あれ~
しばらく歩くと私が前に住んでいた家の前に着いた。
空き家と言う看板が立っている。
「こっち。」
奥へ入ると木に名前が書かれた物が見えてくる。
ここは私が来たくても来れなかった場所。
ルウのお墓。
ルウのことを埋めてから、私はルウに合わせる顔が無くて会いに来れなかった。
「ルウ…ごめんね。
ルウに合わせる顔がないんだ。
私のせいだから…全部私のせいだから。
会いに来れなくてごめんね」
「こいつは美奈のこと恨んでないよ。
逆に感謝してる。
愛してくれてありがとうって。」
後ろからルイが背中をさすってくれる。
「僕は美奈にこいつの想いを伝えたかった。
美奈は自分を責めないで」
「ルイ…ありがとう。
ルウの気持ちを教えてくれて…」
私は気づかないうちに涙を流していた。
ルウの名前が書いてある木の下には小さな花束が置いてある。
「ルイ…この花を置いたのはルイ?」
「僕じゃないよ。
もうすぐでくるよ。
…ほら」
ルイの声の後少し経つと小さな足音が聞こえた。
誰かが来たの?
私は後ろを振り向いた。