最後の100日~君に幸あれ~
「とにかく。
何があっても俺たちは美奈ちゃんの味方だから。」
祐一君はそっと私の頭の上に手を乗せ優しく撫でた。
ドキッ。
自分で顔が赤くなるのがわかる。
「あ、ごめん!
用事思い出した。
葵、行くぞ!」
「あ、うん!!
先に行ってるね!
美奈ちゃん溜め込まないでね!?いつでも話聞くから!」
そういい二人は校内へ入って行ってしまった。
屋上には私と祐一君の二人…。
緊張で胸がドキドキ脈打っている。
「祐一君いつもありがとう。
私がピンチな時いつも助けてくれて、支えてくれて本当にありがとうございます。」
そういい一度お辞儀をして祐一君の顔を見た。
「俺が好きでやってることだから。
気にしなくていいよ。」
優しく微笑む祐一君に私は再び顔に熱を感じた。
『俺らも行こうか』と言い祐一君はドアの方へ歩いきだした。
まって…まだ。一緒に居たい。
二人だと緊張して、話せなくなる。
でもその緊張はなぜか心地良くてずっと感じて居たいと思う。
私は咄嗟に祐一君の指先を握った。
「えっ…」
目を見開き驚いた様子で私を見る祐一君。
あ、私咄嗟に祐一君の手をっ!!
「あ!ごめんっ!
そのっ!まだ二人で居たいと思って…って!!
ごめん!!なんでもない!私達も行こうか!」
焦り私は早足でドアの前まで歩いた。
祐一君は早足で私の後ろに立った。
「まって。
今のどういうこと?」
「あの!違くて!!
忘れてください!」
振り向かずそれだけ言いドアノブへ手をかけドアを開けようとした。
だけど、それは祐一君の手によって止められた。
私の手の上に祐一君の手が…。
触れられている手から祐一君の熱を感じる。
祐一君に私は振り向かされ、俯くしことしかできなかった。
恥ずかしい…。
「忘れない。
そういうの勘違いするから…。
勘違いしてもいい?自惚れてもいい?」
祐一君の声に顔を上げると頬を赤く染め真っ直ぐ私の目を見ていた。
どういうこと…?
私は意味がわからず首を傾げた。
「だから、美奈ちゃんが俺のことを好きって思ってもいい?」
「えっ…あ…そのっ…」
私は恥ずかしくなり俯いてしまう。
素直に伝えたい。
でも勇気がない。
「俺、ずっと待ってるんだよね。
俺は美奈ちゃんのことが好きだよ。
ねぇ。返事聞かせて…?」
再び顔を上げると少し不安げで眉を下げた祐一君の顔が見える。
私は…
「私も…祐一君のことが…好きです…」
そういい祐一君から目をそらした。
祐一君は、はぁ〜。と長いため息をつき手で頬を覆っている。
「良かった。
美奈ちゃん恋人になろう?」
「う、うんっ!」
嬉しい…気づいたら私は嬉し涙を流していた。
そんな姿を祐一君は少し驚いてそのあと優しく微笑んだ。
「絶対大切にするから。
俺の頭の中美奈ちゃんでいっぱい。
美奈ちゃんの頭の中も俺でいっぱいにしたい。」
祐一君の顔が近づいてくる。
私は思わず目を瞑った。
チュッ…。
リップ音と共に唇に感触が伝わる。
私…祐一君と…キ、キスをしてしまったっ!
私は真っ赤になり俯いた。
「わ、私の頭の中も…祐一君でいっぱいだよっ!」
幸せを噛みしめるように満面の笑みで祐一君を見た。
「あぁ。他の男にそんな顔見せないでね?
すぐ惚れちゃうから」
ニコッと笑い祐一君は再び私にキスをした……………。