最後の100日~君に幸あれ~
私は屋上へ向かった。
「…か?…それで」
扉がすこし開いていたため話し声が聞こえる。
二階堂君の声?
隙間から少し覗いてみることにした。
「拓磨君はいい人だなぁ。
それでいいんだ。」
二階堂君の目の前にはルイの姿があった。
二階堂君にも見えていたんだ。
「本当に後悔しないのか?」
「しない…よ。
いろいろ手伝ってくれてありがとう」
手伝う?
何故か聞いてはいけない気がして私は来た道を引き返そうと後ろを向いた。
ギィ…。
扉に当たってしまったらしく、ドアから音が聞こえる。
ドアが開きルイは目を見開き驚いた顔で私の方を見た。
「美奈?
いつからいたの?」
「え、えっと…今来たんだけど…。」
ルイは私の元まで駆け寄った。
「どこから聞いてた?」
「どこからって…。
何か大事な話をしていたの?」
ルイはスッと後ろを向き離れて行った。
「聞かれてないならいいんだ。
気にしないで…。」
私は頷いた。
少し気になるけど、詮索をしないことにした。