最後の100日~君に幸あれ~
「美奈が居なくなるまで待ってたんだね。
拓磨君」
「お前は本当にそれでいいのか?」
拓磨は悲しそうな顔を向けながらそういう、ルイのことを少しだけ自分と重ねているように見える。
「いいんだ。
真実はまだ知らなくていい」
「…っ!
泣いてたこと丸わかりなんだよ。
はぁ…奥村さんといいお前といい、ほんっとうに他人を優先しすぎなんだよ」
拓磨はフッとどこか諦めたような顔をした。
それをルイはニコッと笑った。
「美奈は優しいからさ。
僕より拓磨君の方こそ優しいよ。」
ルイゆっくりと拓磨へ近づく。
胸ポケットから何か出しルイに渡す。
「封筒に入れたんだ。
拓磨君ありがとう。」
白い封筒を見つめながらルイは微笑んだ。
封筒には『奥村美奈様』と書かれている。