最後の100日~君に幸あれ~
二階堂拓磨~side~
「僕が消えることは教えないで。
それを知ったら美奈を泣かせてしまうから」
突然ルイに文字を教えて欲しいと言われ俺は屋上にいた。
目の前には俺が待ってきた紙とペン。
「それで本当に後悔しないんだな?」
小さく頷くルイ。
手紙を書き終えるのに2日かかった。
文字の書き方を教えるだけで俺は手紙の内容を知らない。
その紙を預かり俺は帰宅した。
白の封筒を用意し、奥村美奈様と名前を書き中に紙を入れた。
何回も話すうちに何故奥村さんの元へ来たのかを教えてくれた。
奥村さんにそんな過去があったんだ。
ルイは時々本当の姿を見せてくれた。
とても猫らしい顔をしていて毛並みは綺麗。
そして、奴が消えてしまう前日家に帰りベットの上に座り頭を抱えた。
あいつ、俺が抱えてる過去が、分かったのか。
そうだな。あの人が消えてしまう時確かに幸せそうな顔で笑っていた。
俺も幸せにならなきゃあの人に申し訳ないよな。
葵はどことなくあの人に似ている。
でもあの人とは違う人なんだ。
俺は葵自身に惚れた。
だから、明日気持ちを伝えよう。