最後の100日~君に幸あれ~


『俺が文字を教えて教えてるのになかなか覚えなくてさ…あいつ。』

そうだ。その度少しだけ言い合ったりした。
ルイの昔話もできないんだ。

あいつは消えてしまったのだから…。


なんか、目に涙が溜まってる。


あれ?俺こんなにあいつと仲良くなってたんだな。


奥村さんはあいつからの手紙を読んでいる。


読めんのかな?あいつ結構字がヘタクソだったから…。

俺は後ろを向き誰にも見えないように涙を流した。


『下手くそな字だなっ…読み…づらいよっ…っ!!』


と泣きながら言う奥村さんの声が聞こえる。

やっぱり下手で読みづらいんじゃん。

本当にあいつは不器用だな…。


本当に…いいやつだよ。


祐一の言葉が聞こえてくる。
『美奈や俺、拓磨がルイのことを忘れることはない。
ずっと覚えている』

そうだ。俺らは絶対忘れねぇよ。

あんな他人優先でバカみたいに優しい、霊なんて忘れるわけねぇだろ。


俺らは生きている。


だから、前に進まなきゃいけないんだ。


しょうがねぇな。

あいつとの約束を守らなきゃいけねぇよな。


俺も幸せになるよ。


幸せを絶対に掴んでやるよ。


だから、空からのんびりしながら見ててくれよ。


このバカで優しい青目の猫!!!


そう心の中でいい空を見上げほんの少し笑った。




~二階堂拓磨side end~


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