最後の100日~君に幸あれ~
~ルウside~1
真っ暗。
暗闇の中僕はベンチの下で丸まっている。
寒い。
冷たい。
「ニャァ…」
お腹が空いた。
最後に何かを食べたのはいつだろう。
思い出せないくらい遠い。
僕は人間が嫌いだ。
人間は勝手に僕のことを捨てたんだ。
空腹を紛らわせるために水場へ来た。
水面へ近づき少しずつ水を飲む。
「ニャァ…」
どうすれば食べ物をたべれるのか分からない。
僕は気づいたら人間に囲まれて育っていた。
だけど、産まれてすぐ僕は公園に置いていかれたんだ。
『助けて』そう何回も叫んでいるのに、人間は僕のことを見ずに通り過ぎていく。
まるで僕の存在を否定するかのように。
誰かの気配を感じ僕はベンチの下へ戻った。
一人の人間がベンチの上に座った。
「クソッ…」
怒っている様子だ。
僕は静かに人間がいなくなるのを待った。
その人間はふと何かを思い出したように、再び立った。
そして、ベンチの下を覗き込んだ。
「お前、この公園に捨てられてた猫だよな。」
何を言っているのか分からない。
だけど、先ほどと違い優しい顔をしている。
本当はこの人は優しいのかもしれない。
だけど、人間は人間だ。
どうせ捨てられるんだ。
「ニャア…」
何処かに行ってくれ。そう心を込めて言った。
だけどなぜか、その人間は俺へ手を伸ばし捕まってしまった。