最後の100日~君に幸あれ~


美奈の声が聞こえたような気がした。

僕はもうすぐで死んでしまうのだろうか。

まともに声が出ない…。

それでも僕は美奈の名前を呼んだ。


僕の大好きな人の足音が聞こえる…。

直ぐに僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。


目の前には美奈の姿があった。


美奈…どうして。

やっぱり美奈は僕を捨てたりしてないなかった。

僕を迎えに来てくれたんだね。


美奈ありがとう。

僕は美奈の腕の中に抱き寄せられた。


僕ね。こんなに血を流して、こんなに無様な姿。
見られずに死ねるって思ったんだ。

だけど、そんな心と裏腹に最後にもう一度だけ君に会いたいって思ってしまったんだ。


美奈…見つけてくれてありがとう。


その優しい腕で抱いてくれてありがとう。


僕を…愛してくれてありがとう。

僕は先に逝ってしまうけど…美奈は幸せに暮らして欲しいんだ。

あのね。美奈…



僕は君に出会えて愛されて…とっても幸せでした。


美奈…僕は君に恋をしていたよ。


猫の僕が人間の君に…。


「美奈…だいすき…」


そう口にしても美奈には通じないんだ。

美奈…。さようなら。


次に会ったら


また


僕のことを抱きしめてください…。




僕は瞳を閉じた…。


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