最後の100日~君に幸あれ~

「なんだ、てっきり祐一に恋に落ちたのかと思った」

「なわけないです。」

「あいつ分かりやすぎだよな。
好きな女の前だとシャイになってさ、見ててからかいがいがあるもん。」

二階堂は沢田君が私のことを好きだということを私よりも前に知ってたんだ。
いつからなんだろう。

「二階堂って勘が鋭いんだね。
沢田君って普段どんな人なの?」

「あー…高校に入る前までは、ずつと無表情で暗い奴だったよ。
特に女に対しては当たりが冷たくてな。」

沢田君が無表情。今の彼からは想像できない。
二階堂は沢田君と同じ中学だったんだ。

「そうなんだ、二階堂君と沢田君は結構仲が良いんだね」

「まぁ、小、中、高ってずっと一緒だからな。
高校に入って入学式に行く途中奥村さんと話して一目惚れしたんだって。
そっから、気さくに奥村さんに話しかけれるようにチャラ男っぽくして奥村さんに話しかけてたなぁ。」


少し笑い混じりながら二階堂君は私に聞かせてくれた。
入学式前、近くの桜通りで話したの沢田君だったんだ。

そ 中三の頃からずっと髪の毛ボサボサだったのに、なんで一目惚れなんて…。

不思議に思いながら学校へ着いたので、二階堂にお礼を言いそれぞれ別々に教室へ向かった。

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