最後の100日~君に幸あれ~

ふと誰かに抱きしめられる感覚を感じた。

「…っ!」

「美奈…」

いつの間にか現れたルイに抱きしめられながら私は涙を流し続けた。
ルイの手はすごく冷たかった、体も冷たい。
なのに暖かく感じる。

「ルイ…っ!
会いたかっ…たっ!」

「うん。
僕は毎日ここにきてくれてたこと分かってる。
ごめんね。
あの人に会うなって言われて会えなかった。

それに、美奈はあの男のそばにいた方がいいんだよ。

あの男は美奈の事を本気で…」

「あの人って誰…うぅ…私はルイにっ!
ルイに会いたい。
ルイのおかげで私の世界には色がついたの…っ!」

ルイはずっと私を抱きしめてくれている。
バニラのような甘いルイの香りが私を安心させた。

「ごめんね。美奈。
これからはそばで支えたい。
けど、それは叶わない願いなんだ。

あの男なら君を支えてくれる」

「あの男…?」

「美奈の為に髪を染めてピアスを外した男だよ」

沢田君…?
なんでルイは沢田君を気にかけているのだろう。

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