だから私は、明日のきみを描く







放課後、私たちは連れ立ってA組まで行った。


終礼が終わっているのを確認して、廊下の窓から中を覗きこむ。


「彼方くん、いるかなあ?」


と遥が首を巡らせる。


「いるよ……、あそこ」


見渡すまでもなく、すぐに私の視線は彼方くんの姿に吸い寄せられた。


彼を差した私の指を追って遥の目が動く。

彼方くんを見つけると、彼女は私の腕をつかんだ。


「やばい! いるよ、見つけちゃったよ、どうしよう」


私はくすりと笑って「いて良かったよ、声かけよう」と言った。

でも遥は頬を押さえて、どうしよう、と迷っている。


彼女の勇気が出るまで待とうと、彼方くんのほうに目を向けると、目があってしまった。


「あっ、遠子ちゃん」


そのまま駆け寄ってくる。

私は慌てて一歩下がり、遥の後ろに立った。


「遥ちゃんも。どうしたの、誰かに用?」


遥はだまっている。

その背中をつつくと、遥は意を決したように「あの」と声をあげた。


「彼方くん、文化祭のときに誰と一緒に回る?」


彼方くんはきょとんと目を丸くした。


「え……うーん、まだ決めてなかったけど、たぶんあいつらと」


彼方くんが指差したのは活発そうな男子の集団だった。


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