王太子様は無自覚!?溺愛症候群なんです
エドワードの心臓が握り潰されたように軋んで音を立てた。
まただ。
彼はまた、彼のために身を挺して倒れた者を、その腕で抱いている。
エドワードは彼女をつなぎとめるように、必死にその左手を握りしめた。
「ラナ! お前、なんて馬鹿なことを……!」
ラナは白い肌に張り付くような汗をかき、視界は霞んでいたが、かろうじて意識は保っている。
「き、妃として、エドワード様のことをお守りしただけです。褒めてくださってもいいのに」
ラナがこんなときまで色を失った唇を尖らせて拗ねてみせるので、エドワードは泣きそうになって叫んだ。
「黙れ! 俺に口答えするな」
ぐったりとして温度の下がっていく身体を懸命に掻き抱く。
「殿下はどうしてそう、横柄なのですか。いつもいつも、イジワルな言い方をして……私は、あなたの物では……」
「わかったから、もうしゃべるな! 頼むから」
ラナは口を動かすことも苦しくなってきて、縋るように手を伸ばした。
エドワードがしっかりと握り返してくれる。
「おい、救護班はまだか! 急いでくれ!」
エドワードの悲痛な声が、どこか遠くのほうに聞こえた。
なにはともあれ、彼に怪我はなかったようだ。
そう思うと一気にホッとして気が抜け、ラナはそのままエドワードの腕の中で意識を手放した。