キミが好きなのは俺
「陽菜ちゃん、ありがとう。
おれも手伝うよ。」
「あ…、ありがとうございます。」
そう言って、1つのゴミ袋の口を2人で広げ、
私と健一さんはゴミを集めた。
2人の間に会話は無く、黙々と作業していたからか、
あっという間に片付いて、
ブルーシートの上には、
私と健一さんのカバンと、ゴミ袋だけになった。
「あ…、じゃあ私、ゴミ袋捨ててきますね。」
この広場には、お花見シーズンになるとゴミ捨て場を設置してくれるようで、
私はなんだか落ち着けないこの空気から逃れたいと思った。