キミが好きなのは俺
「あー、実はね、ちょっと恥ずかしい話なんだけど、、、
一昨年かな?花見しに来たときにさ、
迷子になったんだよね、おれ。 」
「え?健一さんが、迷子ですか?」
うそだよね?
こんなに紳士なお兄さんの健一さんが。
でも、頭を掻きながら、照れ臭そうに笑う健一さんを見ると、
本当に迷子になったんだなと思う。
「そう、迷子。ここ広いでしょ?
その時初めて来て、その時もゴミ出ししに行ったんだ。
そしたら、どこに行けば分からなくなっちゃって。
たまたま見つけたこの道通ってみたら、偶然ちゃんと駐車場に着けたんだよね。」
大学生なのに迷子って、笑えるよね。
そう言って、ハハッと笑いながら歩く健一さん。