キミが好きなのは俺
優くんと優くんのお友達は、次に私たちが使う教室から出てきた。
見かけることは多くなったけど、でもそれは遠くからで、
あの授業の時以来、会話はしていなかった。
私、あいさつできるかな・・・。
優くんの顔を見てみるけど、なんだろうな、
仲良くなりたいと思う子に話かけるのには、勇気がいるっていうのかな。
変に緊張しちゃって、すぐ下を見てしまう。
私の瞳は、優くんの顔と床を何度も往復していて。
気づけば、もうすぐそこに、優くんがいた。
私は、一回深呼吸をしてから、息を大きく吸い、
優くんにあいさつしようと彼の顔を見る。
すると、優くんも私のことを見ていて、
「陽菜ちゃん、おはよう。」
微笑みながら、そう声をかけてくれたんだ。