キミが好きなのは俺
亜紀ちゃんは考えて考えて、考えを絞り出すように、
「本当に薄い可能性だけど、あるとしたら・・・」
そう、小さな声でつぶやいた。でも、なぜかもったいぶって、続きを言わない。
「あるとしたら?」
その続きが気になって、促すつもりで聞いてみた。
「ひとめぼれ、とか。」
・・・え?なにそれ?お米の名前を言っているわけでは、さすがにないよね。
「いや、そんなこと、あるわけないよ。」
だって、この大学、美人さんとか可愛い人とかたくさんいて、
私に一目ぼれするくらいなら、とっくに違う人にしてるって。