キミが好きなのは俺
「どうした?そんなにびっくりして。」
「い、いや…、私も4階に住んでいるから。もうびっくりで。」
「あ、そうなんだ。」
エレベーターが到着して、優くんは何事もないかのように乗り込み、4階のボタンを押す。
いや、これもびっくりしないの?
優くんと同じマンションで、同じ階に住んでいることもびっくりだけど、
優くんが全然びっくりしていないことにもびっくりだよ。
そんなこと思いながら、私もエレベーターに乗り込む。
今、エレベーターの中は優くんと2人きりなわけで、
こんな展開全く予想していなかった。
もうなにが起こっているのかよくわからなくて、何も話しかけることができない。
ちらっと優くんの横顔を見てみても、普段と特に変わっている様子はないし。
こういうのって、びっくりしない方が普通なのかな。