キミが好きなのは俺
えっ……。なんで…か。・・・なんでだろう。
「うーん…、分かんないかも。」
そう答えると、優くんは笑った。
「それはね…その人のことが好きだから。
だから、陽菜ちゃんは俺のことが好きなのかもな。」
えっ・・・そうなの?
思わず優くんの顔を見上げてしまう。
・・・その人のことが好きだから、マネしちゃうの?
優くんは、微笑みながら階段を上っていく。
私、優くんのこと…、好きなの?
確かに、仲良くなりたいと思ったり、優くんにドキドキすることもある。
これは、好きだから、そうなるの?
自分の気持ちがどうなのか、考えても言葉で表せなくて。
私は階段の途中で立ち止まったままでいた。