キミが好きなのは俺

すると、それに気づいた優くんは、上った階段をわざわざ下りてきてくれて


「ごめんな、まさかそんなに悩むとは思ってなくて。」



首の後ろに手をおいて、困った表情で声をかけてくれる。




そして

「…無理に答えだそうとか、変に考える必要ないと思う。

 でもさ、俺のこと見てたっていうのは、事実でしょ?」




私の顔を覗いて、そう尋ねる優くん。





私は聞かれたから、素直にうん、とうなずいた。





「だったら、それだけでいいんじゃないの。」






・・・どういう意味なんだろう。



そもそも、考えちゃったのは優くんがそんなこと言うからなのに。





自分の気持ちも、優くんの言葉も意味も分からなくて

混乱しそうだよ。
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