キミが好きなのは俺
さすがに何か変化があるわけでもなく、ほんの少しだけ懐かしさを感じながら

人が行き交う姿を見つめていた。




「早く来てくれないかな…、健一さん。」



私がそうポツリとつぶやくと






「陽菜ちゃん!」



少し遠くから、手を挙げて、こっちに向かってくる健一さんの姿がちらりと見えた。





あ、別に、走らなくても大丈夫なのに。





健一さんは、通りにくそうに人波をかき分けながら私が待っている石碑の前に着くと



息を整えながら


「ごめんね、待たせちゃって。」




と両手を合わせて、本当に申し訳ないって顔をしている。
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