キミが好きなのは俺
「そうだ、陽菜ちゃん、お昼はもう…食べちゃったよね?」
なぜか気まずそうに聞いてきた健一さん。
「いや、私お昼食べてないんです。」
「あ、本当に?」
私が答えると、健一さんはパッと表情が明るくなる。
「はい。本当です。」
「いや、実はさ、おれもまだお昼食べてなくって。
よかったら、まずお昼食べない?」
少し照れくさそうに笑う健一さん。
さっきまでは全然食欲がなかった私だけど
実際に健一さんと会って少し会話をしたからか、お腹が空いてきた気がする。
「はいっ。食べたいです。」
私が答えると、健一さんは辺りを見回して
「うーん、近いし、ファミレスでも大丈夫?」
道路を渡ったところにあるファミレスを指差した。