キミが好きなのは俺
「陽菜ちゃん?ここ、入る?」
そんな私に気づいた健一さんが声をかけてくれた。
「はい、入りたいです!
最近引っ越したばかりで、いろいろ足りない物が多くて。」
引っ越してから1ヵ月。いろいろ必要なものが不足していることに気づく。
でも、なかなか買いに行く時間がなくて、少し不便な生活を送っていた。
私はお店に入ると、食器のコーナーへと向かう。
「何が足りないの?」
「電子レンジが使えるお皿と、マグカップが…。」
一応どちらも持ってはいるんだけど、1つずつしかなくて。
洗い物をためがちになってしまうから、もう少しあったらな、って思っていた。
「あー、それすごく分かるな。
人が来たりすると、1つじゃ足りないもんね。」
「…あ、そうなんですよっ。」