キミが好きなのは俺
連絡通路を渡り、私たちは水族館のある建物の4階にやってきた。
すぐにプラネタリウムの中へ入るゲートがあり
その近くには係員の人が立っている。
「はい、これ、陽菜ちゃんのチケット。」
健一さんはそう言って、私の分のチケットを渡してくれる。
「あ、ありがとうございますっ。」
私は差し出されたチケットを受け取ると、重要なことを思い出した。
「そういえば健一さん、このチケットのお金・・・。」
何も考えずに受け取ってしまったけど
私、チケット代払っていなかったよね。
「あ、これ?これ、友達に貰ったんだ。
だから、陽菜ちゃんはチケット代とか、気にしなくっていいんだよ?」
ハハッと笑う健一さん。
「ほ、本当ですか?」
「本当だよ。さあ、中に入ろう。」