キミが好きなのは俺
ドームの中に入ると、一人から三人掛けのソファ席がそれぞれ用意してあり
健一さんは、私を連れて二人掛けの席へと向かった。
そして、健一さんは、私をまず席に座らせると
繋いでいた手を離してどこかへ歩いて行ってしまう。
「・・・?」
私に笑顔を向けて、どこかへ行ってしまった健一さんの後ろ姿を
私は静かに見つめるしかなかった。
数分しても、健一さんは戻っては来ない。
もしかしたら・・・トイレにでもいったのかな。
それなら、一言声をかけてくれれば良かったのに。
席に着くまで、健一さんに手を握られてドキドキしていたのに
今度は一人ぼっちにされてしまって、とても寂しい気持ちになっていた。