キミが好きなのは俺
あっという間の1時間で、ここを立ち去るのが少し寂しい気持ちになりながら
私たちは元来たゲートを出た。
専門店街まで戻ってくると、健一さんのスマホが鳴る。
「ごめん、電話みたい。ちょっと出てくるね。」
健一さんは、そう私に一言声をかけ
もしもし、と電話に出ながら、少し離れたところまで歩いていった。
私はその間、さっきのプラネタリウムの余韻にひたる。
目を閉じれば、映像とは思えないほど
視界いっぱいに広がっていたきれいな星空が浮かんでくる。
けれど、実際には、町の明かりなどで
ここまできれいな星空が見えることはないらしい。
だからこそ、またプラネタリウムに来て、きれいな星空を見たいと思った。