キミが好きなのは俺

そして、一応教授の話に耳を傾けつつ

私は教室の扉をずっと見つめ、優くんが入ってくるのを待っていた。




時々教室の扉があくたびに、心臓がドキッとするけれど

入ってくるのは全然知らない人ばかりで。





何分待っても、何十分待っても、教室の扉から優くんが入ってくることはなく

結局1コマが終わってしまった。





優くんが授業に来なくて、会えない寂しさを感じつつ

何かあったんじゃないかと不安になる。



けれど、連絡先を交換していなかったから、優くんに連絡を取ろうと思ってもできなくて

私は、とりあえず次の授業の教室に行って、来てくれるのを待つことしかできなかった。




「優くん…大丈夫かな。」




何もないことを願いながら、2コマが始まっても授業に集中できることなく

優くんが現れるのをただただ待った。





だけど、チャイムが鳴り、2コマの授業が終わっても、とうとう優くんは現れなかった。
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