キミが好きなのは俺
優くんの腕を私の肩に回し、優くんの体を支えながら、お部屋の中に入る。
「優くん?おじゃまするね。私に捕まって、歩ける?」
声がちゃんと届いているかは分からないけど
優くんが転ばないよう慎重に一歩ずつ進めながら、優くんをベッドまで運んだ。
ベッドに着くと、ゆっくりとベッドの端に腰を下ろし
優くんの背中を支えながら優くんを寝かせ、布団をかける。
優くんの髪の毛が、額にかいた汗で、少しへたっとなっていた。
「優くん?熱測ったり、お薬飲んだりした?」
目を閉じたまま、辛そうな顔をする優くん。
聞こえていないのか、聞こえていても答えることができないのか分からないけど、返事がない。
とりあえず、辺りを見回して体温計や、薬を飲んだ形跡がないか調べてみる。