キミが好きなのは俺
私はそっと布団をかけ、今度はタオルを探した。
ベッド脇に畳んで置いてあったフェイスタオルを見つけると
キッチンのシンクで水に濡らし、キュッと絞って、優くんのそばに行く。
そして、優くんの額にそっとのせてあげた。
「ん…。」
ひんやりしたタオルのおかげか、表情が少し和らぐ優くん。
「早くよくなってね…。優くん。」
私は、熱を持った優くんの右手をそっと握りしめた。
わずかだけど、私の手を握り返してくれたことに、ドキッとする。
物音のしない静かな部屋の中で
優くんの手のひらから伝わる温度にドキドキする私の心臓の音が、やけに大きく聞こえた。