キミが好きなのは俺

私はそっと布団をかけ、今度はタオルを探した。



ベッド脇に畳んで置いてあったフェイスタオルを見つけると

キッチンのシンクで水に濡らし、キュッと絞って、優くんのそばに行く。



そして、優くんの額にそっとのせてあげた。




「ん…。」


ひんやりしたタオルのおかげか、表情が少し和らぐ優くん。




「早くよくなってね…。優くん。」


私は、熱を持った優くんの右手をそっと握りしめた。




わずかだけど、私の手を握り返してくれたことに、ドキッとする。





物音のしない静かな部屋の中で

優くんの手のひらから伝わる温度にドキドキする私の心臓の音が、やけに大きく聞こえた。
< 225 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop