キミが好きなのは俺
「陽菜ちゃんがずっと…手握ってくれたおかげだな。」
優くんは優しく笑って私に顔を向けてくれる。
優くんのその言葉と表情に、また心がドキッとする。
「ううん!まだ熱あるんだから、横になってちゃんと休んでてね。」
私は、心のドキドキを隠し、ごまかすように、優くんの被っている布団をかけ直した。
ふと窓の外を見て、日が暮れかけて暗くなっていることに気づく。
「私…こんなにも寝ちゃってたんだ。」
落ち込みながらぼそっとつぶやく私の言葉に
「陽菜ちゃんも疲れてたんだよ。…ありがとうな。」
怒るどころか、感謝してくれる優くんの言葉がとても嬉しかった。