キミが好きなのは俺
冷蔵庫から野菜を取り出し、水で洗って、それを一口大に切ったり、お湯を沸かしたりする。
キッチンに、包丁のトントンという音や、お湯が沸いてグツグツする音が響き
勝手に優くんの彼女になった気分で、また心がドキドキする。
「よし、できたっ。」
一口大にした野菜と鶏肉をうどんと一緒にお出汁と醤油のつゆで煮込み、最後に卵でとじた
一ノ瀬家特製うどん。
煮込む食材は何でも良くて、家にあるもので手軽にできるし
いろんな食材を入れるほど栄養が増えるから
私も風邪を引いたときはよくお母さんやお兄ちゃんが作ってくれた。
作ったうどんが入ったお鍋、お茶碗とお箸をもって、優くんの所まで運んでいく。
「優くん、できたよ。」
「…あ、うん。」
寝ていた優くんは起き上がって、ベッドから出て床に座った。