キミが好きなのは俺

そして、キッチンへ向かおうと、優くんに背を向け再び立ち上がろうとすると





――パシッ





ほんのり熱を帯びた優くんの右手が

私の左腕を掴んだ。




両手で持っていた食器が、その振動でカチャッと音を立てる。



…優くん?



私はしゃがんだまま、ゆっくりと振り返る。





優くんの顔は、先ほどの真剣な表情から変わっておらず、でも、少しだけ気迫を増していた。




その瞳は、私の目を見て動かない。



「優…くん…?」
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