キミが好きなのは俺
「陽菜、今日どうした?」
かずさんは、他の部員からの挨拶にちゃんと答えながら、私の斜め前に立った。
「え?」
「表情暗かったぞ?」
「あ…そうでしたか?体験入部の子がたくさんいて、緊張したのかな…」
本当はそういうわけじゃ無かったんだけどね。かずさんに勘づかれたくなくて、嘘を言ってしまった。
正直なところ、今日の部活は、いまいち身が入らなかった。
だから、笑顔で部活に参加する、私がいつも意識していたことが
今日はできていなかったかもしれない。
やっぱりかずさんは、そういうところをちゃんと見ているのかな。
「これ、どっちがいい?」
そう言うと、かずさんは缶を2つ私の目の前に差し出した。
1つはミルクティー、それから・・・