キミが好きなのは俺
「ミルクティー?」
「ハハハッ。左のミルクティーと右のミルクティー、どっちがいい?」
かずさんは満面の笑みで、缶を持った左右の手を交互に私の顔に近づけて
こっち?こっち?、と聞いてくる。
どちらも、同じメーカーで同じサイズのミルクティーなんだけどな。
「ふふっ、じゃあ、右のミルクティーで。」
そんなかずさんを見て、思わず笑ってしまった。
「はい。どーぞ。」
「ありがとうございます。いただきます、かずさん。」
カチッとふたを開け、私とかずさんはミルクティーを1口飲んだ。
「で、何かあったか?」
「…え?」
思わずかずさんを見てしまう。
かずさん・・・やっぱり気づいてるのかな。表情が暗くなっていた理由…。