キミが好きなのは俺
「明日、健とデートするんだろ?」
明日・・・健一さん?
・・・デート?
「・・・あ!」
「わぁ、なんだよ。」
私は大事なことを思い出して、思わず飛び跳ねてしまい、かずさんをびっくりさせてしまった。
明日、健一さんとランチする予定だった。優くんのこともあったし、すっかり忘れてた。
しかも、この間のお礼をするために、クッキーを作るつもりでいたんだった。
「かずさん、別にデートじゃないですからね。ただお昼を一緒に食べるだけです。」
自分の気持ちと、興奮気味のかずさんを落ち着けるためにも、静かにかずさんに伝える。
「ふーん。健はそんな、ただお昼を一緒に食べるだけ、って感じじゃなかったけど なぁ。」
「え…どういうことですか?」
「さあね~。」
ニヤニヤするかずさんは、一口ミルクティーを飲んでごまかした。