キミが好きなのは俺
私が話しやすいように、考える時間とか心の準備をする時間を、自然と用意してくれる亜紀ちゃん。
ストレートな言葉もたくさん言ってくるけど
いつも亜紀ちゃんの言葉や行動には優しさがあって、心が温かくなる。
「亜紀ちゃん…私、上手に話せないと思うし、伝わりづらいと思うけど、聞いてくれる?」
「もちろんだよ。」
変に、上手に話そうとかするのはやめよう。
自分の気持ちを、全部正直に話そう。
亜紀ちゃんならきっと、私の気持ちの意味を、その答えを見つけてくれる。
亜紀ちゃんの言葉を聞いて、私は一度深呼吸をしてから、話し始めた。
「今ね…自分の気持ちが分からないの。」
「・・・。」
亜紀ちゃんは何も言わず、頷きながら私の話を聞いてくれている。
「昨日ね、優くんに聞かれたの。
俺のことどう思ってるって。好きなんじゃないって。」
私は、教室で優くんと話した内容や、そのときの状況を話した。
「でもね、その場で答えられなくて。」
あの時の優くんの表情や、教室に流れていた重たい空気を思い出すと、胸が苦しくなってくる。
「好きって、どういうことなのか、分からなかった。
今も分からなくって…。」
最後の方は、上手く声を出すことができず、声が小さくなっていた。