キミが好きなのは俺

「・・・なるほどね。それで、健一さんっていうのは?」



「健一さんは、1つ上の先輩で、お花見行った日…

 あ、優くんと初めてお話しした日に、初めて会ったの。」




そう言うと、亜紀ちゃんはびっくりした表情をしていたけど

特に何かを言うわけではなくて、私が続きの言葉を発するのを待っていた。




「そこから、お出かけしたり、ご飯食べたりしてね・・・。」




一緒にプラネタリウムを見に行ったこと

その時にマグカップとお皿をプレゼントしてもらったこと

私の抱く健一さんのイメージとか雰囲気を話した。




「健一さんとお話ししたり、会ったりすると、ドキドキするの。


 でもね、優くんにも、ドキドキするの。」




私は、はぁ、とため息をつき、肩を落とす。





「自分でも、なんでか分からないんだけどね

 ドキドキしても、健一さんに対するのと、優くんに対するのは、なんとなく違うっていうか…。」




うまく言葉にできないからもどかしいし、きっと言葉にできないから

自分の気持ちがなんなのか分からないんだと思う。




「違うって思ってても、何がどう違うのかも分からないから。


 私は…私の気持ちって、何なの…?」




亜紀ちゃんにすがるように、私は亜紀ちゃんを見つめた。
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