キミが好きなのは俺
顔が思い浮かぶ・・・
会いたいって思う・・・
喜んでほしいって思う・・・。
「これは、私が好きだなって思うときだけどね。
これが、全部当てはまるからと言って
陽菜にとっての“好き”になるわけでもないよ。」
あ、今必死で、当てはまる人を探そうと考えてた。
優くんは、健一さんは、どうだろうって。
亜紀ちゃんには、私が考えていること見透かされていたみたい…。
「つまり、何が言いたいかっていうと、」
亜紀ちゃんは、マグカップを手に取り、一口紅茶を飲んで、それをテーブルに置くと
「好きを形作る要素はたくさんあるの。
だから、好きって何なのかって言われても、分からないものなんだと思う。
でも、どんな時でも、どんな瞬間でも、心から、偽りのない気持ちで
自然と“好き”って言える時
何も引っかかることなく“好き”って言える時
それは、陽菜にとっての“好き”だと思うよ。」