キミが好きなのは俺

そんなに褒められたら・・・


「なんか恥ずかしいよ…。」



顔が熱いよ。照れちゃうよ。




「いいじゃん。女の子は恋すると、可愛くなるって言うしねー。」


そう言うと、亜紀ちゃんはうっと伸びして、お菓子を食べ始めた。




「あと、陽菜。健一さん?って人のことだけど…。」




私は、必死で顔の熱を抑えようとパタパタしていた手を止めた。




あっ・・・。




優くんのことが“好き”なんだって分かって

健一さんに対する気持ちが何なのか、考えることを忘れていた。





私は・・・優くんが“好き”。





でも、健一さんに会ったり話したりするときはドキドキして…。





だからと言って、健一さんに“好き”って言えるかと聞かれれば



それは・・・できないと思う。




やっぱり、優くんと健一さんに抱く気持ちは、同じじゃないんだ。

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