キミが好きなのは俺
この3015教室は大教室だから
教室全体に声が響き渡ることはなかったけれど
それでも私の周囲に居た人は、私が大きな声を出したことにびっくりして
私はその人たちから注目を浴びてしまった。
だけど、今はそんなこと、全然気にならない。
優くんに、私の声が届いていればいい。
私は優くんのいるところまで走った。
だけど優くんは、私の方をチラッと見ただけで
決して私の方に振り向こうとはしなかった。
優くん・・・
そんなに私と、会うのがいやだ…?
話すのが…いやだ?
いざ優くんを目の前にして
きちんと向き合って話をすることできないこの状況に、胸が苦しくなる。
「お…おはよう。」
私は声を振り絞り、なんとか優くんに挨拶をした。
「…おはよう。」
優くんは、小さい声だったけど、返事をしてくれた。