キミが好きなのは俺

この3015教室は大教室だから

教室全体に声が響き渡ることはなかったけれど



それでも私の周囲に居た人は、私が大きな声を出したことにびっくりして


私はその人たちから注目を浴びてしまった。






だけど、今はそんなこと、全然気にならない。




優くんに、私の声が届いていればいい。





私は優くんのいるところまで走った。




だけど優くんは、私の方をチラッと見ただけで

決して私の方に振り向こうとはしなかった。





優くん・・・



そんなに私と、会うのがいやだ…?


話すのが…いやだ?





いざ優くんを目の前にして


きちんと向き合って話をすることできないこの状況に、胸が苦しくなる。





「お…おはよう。」



私は声を振り絞り、なんとか優くんに挨拶をした。




「…おはよう。」




優くんは、小さい声だったけど、返事をしてくれた。
< 330 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop