キミが好きなのは俺

私は、どうしていいか分からなかった。




この状況に、頭がついていかなかった。





涙は出ない。





だけど、優くんに



これ以上近づくな、話しかけるな


そう言われているみたいで




胸が張り裂けそうだった。





次は2コマの授業があるだけあって


気づけば、私以外に教室にいる人はもう誰も居ない。




私ひとりが、この広い教室に取り残されてしまったみたいだった。




「そろそろ行かなきゃ…。」



次も、優くんと同じ授業。




5階まで階段を上っていかなければいけないのも嫌だけど



それ以上に



優くんと



同じ教室で再び顔を合わせるのが怖い。





きっと、次の教室でも


優くんはこの前とは違う席に座るんだろうな。




なんとなく想像がついてしまい、そのことを考えるだけで悲しくなる。





実際に自分の目で見てしまったら





きっとものすごくショックを受けると思う。
< 334 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop