キミが好きなのは俺
私は、どうしていいか分からなかった。
この状況に、頭がついていかなかった。
涙は出ない。
だけど、優くんに
これ以上近づくな、話しかけるな
そう言われているみたいで
胸が張り裂けそうだった。
次は2コマの授業があるだけあって
気づけば、私以外に教室にいる人はもう誰も居ない。
私ひとりが、この広い教室に取り残されてしまったみたいだった。
「そろそろ行かなきゃ…。」
次も、優くんと同じ授業。
5階まで階段を上っていかなければいけないのも嫌だけど
それ以上に
優くんと
同じ教室で再び顔を合わせるのが怖い。
きっと、次の教室でも
優くんはこの前とは違う席に座るんだろうな。
なんとなく想像がついてしまい、そのことを考えるだけで悲しくなる。
実際に自分の目で見てしまったら
きっとものすごくショックを受けると思う。