キミが好きなのは俺

そんなことを考えていると



体が全然動かなくて


私はなかなか次の教室へ移動できないでいた。




それでも時間は待ってくれず


2コマの授業を受けるために、私は重い足を動かした。





階段を上っている途中でチャイムが鳴ってしまったけれど



むしろ授業中の方が


優くんに対して変に意識することなく教室に入ることができるだろうと思い




特に足を速めることなく



私は次の教室である3052教室へと向かった。





後ろの扉からそっと教室の中へ入る。





私は、無意識のうちに、優くんの姿を探してしまった。





きっと、心のどこかで


授業中たくさんお話した時と同じ席に



優くんが座っていることを期待していたんだと思う。





1コマの時は、避けられているみたいだったけれど




それは何かの間違いで



もしかしたら私の勘違いで



思い込みで…





私はそう思いたかった。
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