キミが好きなのは俺
心臓が、ドクドクと嫌な音をたてる。
手が、小刻みに震えてしまう。
呼吸が、上手くできずに苦しい。
「……っ…。」
私は授業中にもかかわらず
肩を小さく不規則に揺らしながら
涙を流した。
この授業は問題を解く範囲内であれば話すことも許されているから
教室内は話し声がちらほら聞こえる。
だけど
泣き声が響いて注目されるなんて
優くんのいる状況で絶対に避けたい。
これ以上優くんに嫌われたくない。
私は声が出そうになるのを必死に抑えて、泣いた。
その後は・・・あまり記憶がない。
気づいたら授業が終わっていて
教室から出ていく人に変に思われないように
涙が引くまでずっと窓の方を見ていた。