キミが好きなのは俺

教室から人がいなくなるまで、あまり時間はかからなかった。




私以外に、もう誰もこの教室にはいない。



当然、優くんも。





亜紀ちゃんに…会いたい。





だけど、席を立とうとしても



足に力が入らず


立ち上がることができなかった。





今日は



優くんに気持ちを伝えるからお昼に間に合わない



と亜紀ちゃんに伝えていたから、お昼は亜紀ちゃんと別々の予定だった。





でも




結局優くんに伝えることも



そもそも優くんと話す機会さえも作ることができず




お昼休みが始まってからすでに10分経っている。





このまま一人でこの時間を過ごすのは…すごく辛いよ…。




お家に帰ることもできるけど、立てないんじゃ、それもできない。





とりあえず今、亜紀ちゃんに電話をしてみよう…。





亜紀ちゃん・・・出てくれるかな。




声だけでもいいから、聞きたい。



一人になりたくない。
< 338 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop