キミが好きなのは俺

なんで、どうして・・・こんなはずじゃなかったのに。




今日は、優くんに気持ちを伝えるんだと




不安も少しあったけど、気合い十分で授業に行った。





だけど・・・だけど・・・





優くんは




私と話すことはおろか



近くに居ることさえも許してはくれなくて。





高まっていた気持ちの分だけ、深く深く気持ちが沈む。





ふと教室の真ん中あたりの席を見た。




「前は、あの席で優くんと…楽しくお話してたのに…。」





私と優くんの共通点とも言えた、サッカーの話。




楽しそうに、懐かしそうに、時に照れながら話すその様子は


今でもはっきり覚えている。





まだ出会ったばかりで




顔を凝視して…なんてこんなはできなかったけれど




はっきりと。





だけど、その楽しかった思い出が、より一層私の心を苦しめる。





これからあと十数回、この授業を楽しくお話して過ごせるものだと勝手に思っていた。






だけどそれは、私の勝手な思い込みにしか過ぎなかった。
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