キミが好きなのは俺

亜紀ちゃんは、優しく私の背中をさすってくれる。




今日あったこと、亜紀ちゃんに全部話したい。



だけど、たぶん涙と鼻水で、言葉にできない気がする。





話すためには思い出さなくちゃいけなくて




でも…




あの辛い時間を



辛い状況を




そして





私を拒むような優くんの姿を、思い出したくない。




「……ふ…っ…。」




少し考えるだけで




背中に添えられた亜紀ちゃんの手の平から伝わる温かさも相まって




涙が溢れて止まらない。





「無理して話そうとしなくていいからね。」



ずっと背中をさすり続けてくれる亜紀ちゃん。




「よく頑張ったよ。」



亜紀ちゃんは、そう一言私に告げると




そこからは特に何か話すわけでも



私に何があったのとか問い詰めるわけでもなく




私のそばに居てくれた。

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