キミが好きなのは俺
いつの間にか、3コマが始まる5分前になっていた。
「陽菜…ごめんね。私そろそろ、行かなくちゃ。」
亜紀ちゃんは私の背中から手を離し、私の顔を覗いた。
なかなか涙が引いてくれない私は、袖でごしっと涙を拭いて
「私も、今日はもう帰る。」
亜紀ちゃんの目を見て答えた。
「一人で帰れる?」
「うん、少しスッキリしたし、もう立てると思う。」
泣きすぎて、瞼が重たい。
まばたきをするのがけっこう大変だ。
それに、泣くことに疲れて少し眠たさも感じる。
「そっか。4コマ終わってからなら、いつでも電話出れるから。
辛くなったり、話したくなったりしたら、いつでも電話するんだよ。」
「うん。ありがとう亜紀ちゃん。」